とかく安普請の家は・・・・・・
居間の一部が、そこを通るたびに異音を発し始めて既に3ヶ月以上経つ。これで2箇所目であり、1箇所目の廊下の異音は、尋ねてきた友人Kさんが、床下にもぐり短時間で修理してくれた。電気店経営の彼にとっては、朝飯前の簡単な作業であったと言う。
今回の場所は前回より広範囲にわたり、ギー、ギーと不気味な音を発する。堪らずKさんに電話を入れた。手術しなければならないほど、腰を悪くしている彼には到底頼めないので、意を決して僕がすることにした。
修理の仕方を聞いてみると、理屈的には理解できた。要するに床下に固い、例えばブロックなどを敷いて、それと床板の間に板を入れ、それを持ち上げ固定するジャッキ様(DIYショップに売っているらしい)の機器を使えば可能との事。
いずれ近いうちに実行予定である。出来るかどうかは自信が無いが、まあ、床下に潜ってみよう。
もともと家を持つ気持ちは、全く持っていなかった僕は、家賃を払い続けるより、自分のものにしておいたほうが、有利かもしれないと思い直し、深く考えもせずに、それも見せられた2軒目で決めたので、業者が驚き「本当に良いのですか」と聞き直したほどである。僕が51才の時である。
住めさえすれば良いと考えているから、各所の点検や説明など聞かず、住み始めて17年経ったが、その間10年間は転勤と、親との同居の為に、空き家のままにしていたので、正味住んだ期間は7年程である。
安普請の、しかも借家用に建てられた家らしく、狭い土地に建てているので庭など無い。それでも自分の持ち物となると、大事にしたい気持ちが沸いてくるから不思議である。借家住まいをしていた頃は、考えもしなかったことだ。
当たり前のことだが、金を掛けてない安普請の家は、自然にメッキ剥げて来て、不都合箇所が出てくる。今後も多分あちこち出て来て、その都度手入れを余儀なくされる事であろう。今となっては安物買いを後悔しているが、当時はそれが精一杯の買い物であった。25年以上も家賃を払い続けていたのだから。
利口な人達は、若い頃からマイホームを持つ。それはそれで素晴らしい生き方である。僕の娘夫婦も先ほど、高価なマンションを買った。大都会だから、その程度は普通の価格かもしれないが・・・・・。月月の支払額も僕の常識をはるかに超える。
考えてみると、マイホームの為に一生働き続けるような人生は、自分で選んだ買い物であるとは言え、どこからか何かの魔力に支配され、買わされているのではと思うことがある。皆が買うなら僕もと、横並び意識がそうさせるのかも知れない。
娘たちの場合は、亭主が65歳迄払い続けることになるらしい。何千万円を30年以上払う事など、冷静に考えると狂気の沙汰ではないのかと思う。しかもこの時代、生活の保障は何年先まであるのであろうか、そのような不安もあるはずだ。こう考えたとき、「僕に幾ばくかでも余裕があれば、娘たちに加勢出来るのになー」と思う事がある。支払う金額の大きさから、それを親バカだと、笑って済ませられる事であろうか。
僕のサラリーマン2年生のとき、2年間のローンを組んだ。その期間でさえ、不安を感じたのに、僕らは何時頃から、数十年の長期ローンに不安を感じなくなったのであろうか。そのようにして入手したマイホームも、永遠ではない。僕の家みたいに、十数年で手入れが必要になる家もあるのだ。いずれ資産価値が消滅する住宅が殆どであろう。
僕は最近、払ったローンの金利も含め住宅購入に要した金額を、好きな旅行などに使うべきであったと、短絡的に有利であると判断し、マイホ-ムを求めた行為を、少し後悔している。いまさらどうにもならないことは承知しているが、多くの人と同じ道を選んだ生き方にも、何だかつまらなさも感じる昨今である。
家の不具合から派生して、日本人の人生最大の買い物と言われる、マイホーム購入にまで思いを至し、つい言及してしまって、つまらない呟きになってしまった。
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